
マンションナビの評判や口コミを聞いて、不動産査定した後、契約を結ぶときになると飛び交うワード、それが”レインズ”。
「業者からレインズの登録を勧められたのだけど・・・」
「そもそもレインズっていったい何?」
「登録しても個人情報は漏洩しないの?」
不動産売却が初めての人にとって、レインズは聞きなれないですよね。
そして、「登録」となると個人情報が何かと気になる部分です。
そこで、今回は元業界人の羽生守(はにゅうまもる)が、レインズについて解説していきます。
この記事は、前半でレインズの概要を説明し、後半で個人情報の漏洩が起こり得るのかを書いていきます。
それでは、まいりましょう。
レインズとは?
そもそも、レインズとはいったい何なのでしょうか?
レインズとは、国土交通省が監修している不動産売買のための情報交換システムのことで、Real Estate Information Network Systemを略し、REINS(レインズ)と言われています。
全国各地の不動産業者が会員となって閲覧できるレインズは、不動産情報における日本のブレインとも言えます。
不動産業者は顧客から売却依頼があると、通常レインズに物件情報の登録をします。
反対に、購入依頼があると、レインズに登録されている不動産から買い手に合った物件を探し出します。
要するに売り主からすると、レインズに登録することで全国の不動産業者に物件情報を提供することで、物件に似合った買い手を業者を通して探し出すことができるようになるのです。
ちなみに、インターネットを介してレインズ情報の出し入れをする業者はIP型会員、FAXでレインズ情報の出し入れをする業者をF型会員といいます。
IP型会員とF型会員の違いは、賢い売却活動をするために必要な知識ですので、また最後の方でご説明しますね。
レインズで不動産の売買事例を検索する方法
「自分の不動産がどのくらいで売れるのか、レインズで過去の売買事例を検索して調べてみたい」と考えている方もいるかもしれませんが、じつはレインズは、不動産業者のみが会員になることを許されています。
一般の方ではレインズを使って売買事例を見ることができないんです。
「だけど、査定する前にある程度調査をしたい・・・」という方のために、インターネット環境さえあれば、レインズと同じように日本全国の売買事例を検索できる簡単な方法をご紹介します。
土地総合情報システムなら一般ユーザーでも不動産の売買事例を閲覧できる
土地総合情報システムとは、過去の売買事例で実際に売買された価格である取引価格を調べられる情報システムです。
レインズと同様に、国土交通省が監修しており、一般ユーザーでも無料でレインズと同程度の物件情報を閲覧できます。
土地総合情報システムを利用して、
- 駅からの距離
- 広さ
- 建築年
などを条件設定すれば、あなたの不動産と似ている物件が過去にどのくらいの取引価格だったのかをリアルに確認することができます。
リアルにと言っても、レインズほどの新鮮な情報が掲載されているわけではありませんから、参考程度に思っておくとよいでしょう。
土地総合情報システムの使い方は、以下の通りです。
【土地総合情報システムにアクセス】
まずは、土地総合情報システム(http://www.land.mlit.go.jp/webland/)のトップページにアクセスします。
「不動産取引価格情報検索」をクリック
【土地総合情報システムの検索条件を入力】
検索画面に条件を入力します。
①時期を選ぶ
②物件の種類を選ぶ
③地域を選ぶ
※一戸建ての場合、物件の種類は”土地と建物”になります
上記を選択できたら、「この条件で検索」をクリック。
【土地総合情報システムの検索結果】
オレンジ欄の項目をクリックすると項目に応じた並べ替えができるので、取引価格帯が希望価格と合致しているかを確認できます。
一般の個人がレインズで不動産情報を閲覧する方法はあるの?
答えから言うと、残念ながら一般の人がレインズで不動産情報を見る方法はありません。
レインズを閲覧できない理由は、もともとレインズ自体が宅建業者のためのシステムだからです。
「レインズが見れないのなら、自分の売却物件がちゃんとレインズに登録されているのかわからない」状態になります。
そんな状態を解消してくれるのが「REINS Market Information」というサイト。
REINS Market Information(RMI:レインズ・マーケット・インフォメーション)は、レインズとほぼ同様の情報を個人で閲覧できます。
しかも、REINS Market Informationは、国土交通大臣が指定した以下の4つの公益法人の不動産取引情報を閲覧できるんです。
- (公財)東日本不動産流通機構
- (公社)中部圏不動産流通機構
- (公社)近畿圏不動産流通機構
- (公社)西日本不動産流通機構
ただし、レインズと「ほぼ」同じ情報はみれるのですが、レインズよりも情報公開が遅いのがデメリットです。
さらに業者と一般媒介契約を結んだ場合、レインズへの登録は任意になってしまいます。
一般媒介 | レインズへの登録が任意 |
---|---|
専任媒介 | 7日以内にレインズへの登録が義務 |
専属専任媒介 | 7日以内にレインズへの登録が義務 |
”任意”なだけに、正しい情報が業者から説明のないときは多くの売主がレインズの登録を渋ります。
そして、媒介契約のなかで最も多く結ばれているのが一般媒介契約なんです・・・!
一般媒介契約の場合、自社ホームページや個別に加盟している団体、たとえば宅建協会などの不動産情報サイトには掲載しているケースも多いです。
つまり、レインズとほぼ同様の情報を持つREINS Market Information(RMI:レインズ・マーケット・インフォメーション)よりも不動産ジャパンの方が物件数が上回る場合もあります。
レインズが個人で閲覧できないときは、REINS Market Information(RMI:レインズ・マーケット・インフォメーション)だけでなく、不動産ジャパンというサイトも得るランしておくのが無難です(http://www.fudousan.or.jp/)。
不動産ジャパンは、「自分の不動産がレインズにちゃんと登録されているか調べたい」という人にとっては申し分のないサイト。
でもなぜ、そんなにも不動産情報が集まっているのでしょうか?
それは、ほぼ全国の不動産流通業者がいままで取り扱った物件情報が保管されているからです。
- ハトマークサイト
- FRKインターネット会員物件情報
- ゼネット
- 全住協ネット
以上の4つは、国土交通省の認可を受けており、加盟不動産業者は約11万社にも及ぶ超巨大業者です。
不動産ジャパンの良いところは、これらすべての情報をワンストップで見ることのできる点ですね。
レインズにログインする方法は?
さきほどもお話ししましたが、一般の方がレインズを利用することは”基本的に”許されておらず、ログインできるのは、宅建業者のみになっています。
“基本的に”と書きましたが、一般の人がログインする方法もあります。
それは、不動産屋に行って、ログインする方法です。
もちろん、業者立会いの元にはなりますので、スタッフが業務上立ち合いをしても問題のないほど時間に余裕があるときでないと、なかなか難しいでしょう。
大手の場合ですと、社内規定として立ち合いをしてもレインズへのログインは一般の人に開示できない場合もありますので、注意してください。
レインズの利用時間
レインズを閲覧できる時間は、7:00~23:00までの間です。
業者を介してでしか閲覧できないレインズですので、十分な閲覧時間ではないでしょうか。
ちなみに、レインズを個人で閲覧はできませんが、REINS Market Information(RMI:レインズ・マーケット・インフォメーション)や不動産ジャパンなどの不動産情報サイトは24時間閲覧が可能です。
レインズに登録したら迷惑電話がかかってくる?
不動産流通システムのレインズに登録したことで、迷惑電話がかかってくる可能性はほぼありません。
レインズに登録するのは、あくまでも物件情報であって、取り扱い業者の連絡先を明示することはあっても、売り主の個人情報までは入力しません。
要するに、レインズを利用して電話番号などの個人情報を特定することはできないのです。
もしも、レインズに登録した時期辺りから迷惑電話がかかってきた場合は、他の原因を考える必要があるかもしれません。
レインズに掲載されないデメリット
レインズに掲載されない場合、以下の2つのデメリットがあります。
- 悪質な不動産会社の可能性
- 両手取引を狙われている
それぞれ解説していきますね。
悪質な不動産会社の可能性
悪質な不動産会社は、あの手この手で自社利益を最優先します。
そしてそれはレインズの掲載ひとつでも悪質な手口を使ってくるのです。
具体的には以下の2つが挙げられます。
- レインズへの登録をしない
- 一般媒介契約の場合は、レインズ登録の義務がありません。顧客には表面上レインズの登録を宣言し、物件が成約してからレインズへ登録して「成約ずみ」と掲載する悪質な手口です。
- レインズへの登録を遅らせる
- 専任媒介契約は契約締結から7日以内、専属専任媒介契約は契約締結から5日以内にレインズへの登録義務があります。しかし、うまく理由をつけてできるだけレインズへの掲載時間を故意的に短くする手口です。
では、上記2つのような手口をなぜ図るのでしょうか?
それは、両手取引をしたいと考えているからです。
両手取引を狙われている
物件が売買されたときに不動産会社へ入る利益を仲介手数料といいますが、仲介手数料の種類には2つがあります。
- 片手取引
- 売主と買主、どちらか一方のみから仲介手数料を受け取る取引。他社の仲介によって一方の顧客がみつかった場合に成立する。
- 両手取引
- 売主と買主、両者から仲介手数料を受け取る取引。自社のなかで両者が見つかった場合に成立する。
このうち、収益の高いのは当然両手取引です。
通常、片手取引になるか両手取引になるかは決められません。
ですが悪質な不動産会社は、両手取引を意図的に作り上げるのです。
意図的に作り上げる手口のひとつが、「レインズの掲載を最大限に避ける」。
レインズは全国の不動産会社が閲覧できます。
したがって、レインズに掲載さえしなければ、買い手が現れる可能性を極端に下げられるのです。
レインズに掲載されないときの対処法
レインズに掲載されないときの対処法は以下の3つです。
- レインズの登録証明書を確認
- 一般媒介契約を変更
- 片手取引をする業者に依頼
解説していきますね。
レインズの登録証明書を確認
レインズに登録すると、レインズの登録証明書が不動産業者に発行されます。
レインズの登録証明書とは、価格や専有面積、マンション名などの物件情報が掲載された書類です。
>>レインズの登録証明書サンプル
専任媒介契約と専属専任媒介契約の場合は、売主にレインズの登録証明書を提示しなければならないと宅地建物取引業法で決められています。
一般媒介契約の場合でも、不動産業者に相談すれば提示してもらえますので、面倒くさがらずにレインズへの登録内容は登録証明書で確認をしておきましょう。
一般媒介契約を変更
一般媒介契約の場合、レインズへの登録は義務ではなく任意です。
狙いがあって一般媒介契約にしたのなら問題ないですが、基本的に媒介契約は専任媒介契約もしくは専属専任媒介契約を選ぶのがベター。
なぜなら、専任媒介契約もしくは専属専任媒介契約の場合はレインズへの登録が義務化されているからです。
専任媒介契約なら契約締結から7日以内、専属専任媒介契約なら契約締結から5日以内、にレインズへの登録が義務付けられています。
片手取引をする業者に依頼
片手取引とは、売主もしくは買主のどちらかにしか仲介手数料を請求できない取引です。
基本的に、売主と買主の両者にそれぞれ不動産業者が付いている状況になります。
片手取引の場合、さきほどお話しした両手取引のようないわゆる囲い込みリスクがないのです。
囲い込みとは、両手取引をすることで値引操作を行って仲介手数料をより多く取ろうとする手口。
不動産業者は囲い込みができないので、報酬欲しさだけでなく、売主目線で物事を進めてくれるケースが多くなるのです。
マンションナビでは、依頼時に「査定会社への要望」を自由に記載できます。
「片手取引を希望します」と記載しておけば、対応可能な不動産業者とアポイントメントをとれるのです。
IP型会員とF型会員で集客力に差が出る
さきほどお話ししましたが、IP型会員とは、レインズをパソコンから利用できる会員(業者)のことを言い、F型会員とは、FAXから利用する会員(業者)のことを言います。
IP型会員とF型会員とでは、買い手集客の力に雲泥の差があるんです。
宣伝効果や集客力を重視するのであれば、IP型会員となっている業者と契約を結ぶのをおすすめします。
なぜ、IP型会員の方が集客力に長けているのかというと、F型会員の場合、レインズへの登録をFAXで行うわけなので、写真の鮮明度が低くなり、わかりづらくなる場合がります。
最近はインターネットで検索して気になった物件を問い合わせる買い手がかなり多いため、写真の鮮明度はとても重要です。
写真の鮮明度が高いほど、その物件で住むイメージが沸きやすくなって買い手の反応が良くなります。
業者選びのコツとして、レインズへの登録が「IP型会員かF型会員か」は集客力に差が出ますから、割と重要なポイントなんです。
まとめ
いかがでしたか?
レインズの基礎知識として以下のポイントを解説していきました。
- レインズとは不動産売買のための情報交換システム
- レインズは一般の人が見ることができず、閲覧権は業者のみ
- 土地総合情報システムなら一般ユーザーでも不動産の売買事例を閲覧できる
- 不動産ジャパンでもほぼ全国の不動産流通業者がいままで取り扱った物件情報を検索することができる
- レインズに登録したことで、迷惑電話がかかってくる可能性はほぼない
- IP型会員とF型会員で集客力に差がある
基本的には、「あなたの業者と不動産売却を進めていきます」という契約を交わす媒介契約を業者と結ぶことでレインズは利用できます。
ですので、業者選びの時に、
- IP型会員かどうか
- レインズへの登録はしっかりされているか不動産ジャパンで確認する
程度の知識があれば、十分かと思います。
そして、これらの条件をクリアしている業者をスムーズにみつけたいなら、マンションナビがおすすめ。
マンションナビは、社内の厳しい規定に則って提携会社を決めているからです。
興味のある方は、マンションナビ売却査定の評判や口コミをチェックしてみてくださいね。
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